アラバマ州のオーバーン大学に最近オープンしたゴーグパフォーミングアートセンター（PAC）の屋外円形劇場に、新型NEXO GEO M12ラインアレイシステムが導入されました。Wirebox Media社がデザインと施工を行なったこのシステムは、いかなる天候条件においても高い性能を発揮しています。
「通常屋外空間はサウンドカバレッジを確保するのが困難です」と述べるのは、オーバーン大学PACの制作ディレクターTaylor Dyleski氏です。「しかし初回のテストから、GEO M12システムは完璧に条件を満たしていることが明らかでした。GEO M12システムはあらゆる点でこの会場に最適なシステムです。パフォーマンス、クオリティ、カバレッジ、ヘッドルーム、そしてそれらに対する価格のバランスが完璧でした。これは私たちの多様なイベントスケジュールにオールラウンドに対応してくれる素晴らしいPAシステムです。」
Wirebox Media社はオーディオコンサルティング会社Akustiks社のサポートを受けながらシステムの納品および設定を行ない、初日のオープニングデイコンサートを始めとするバンドコンサート、キャンパスイベント、地域コミュニティの制作（映画・演劇・番組等）といった大学の様々なスケジュールを次々とこなすことで幅広い活動のラインナップに対応できることを実証しました。
システムデザインには、左右のメインアレイにNEXO GEO M1210キャビネット計18台と、センタークラスターとサイドフィルにNEXO GEO M1220キャビネット計6台が使用されています。また、低域の補強にはNEXO MSUB18サブウーファーが使用され、フロントフィルにはより小型のID24キャビネットが配置されています。
オーバーン大学PAチームはNEXOスピーカーの他にも、CL5、QL5、M7モデルなど複数のヤマハデジタルミキシングコンソールを使用しています。この組み合わせは、システムのDanteネットワーク接続を活かしてキャンパスのあちこちでPAインターフェースとコンソールを使用することを可能とします。「Danteの制御があれば、すべてのRioステージボックス、M12システム、ミキシングコンソールを、PACの中のどこにでも移動して接続することができます」とDyleski氏は述べます。「あらゆる機器は持ち込みも持ち出しも可能で、個別のシステムや周辺機器による補完を要せずに動作してくれます。」なお、イベントのない期間ではスピーカーシステムは降ろして保管されますが、この際には TUV準拠のNEXO AutoRig™（※）が活躍します。（※簡単に組み立てられるよう設計された、外部部品や弛緩部品が存在しない内蔵リギングシステム）
オーバーン大学PACのオーディオプロダクションマネージャーChris Burke氏は、NEXOのシステム管理ソフトウェアNeMoが特にゲストエンジニアがこの音響設備を使用するときに有効であると感じています。「あるグループに参加してもらったとき、彼らはすべてのセンド（音声信号のミックス系統）を個別に制御することを望むだろうと想定し私はシステムを左、右、センター、フロント、サイドフィル、すべて個別のマトリックスにしてゾーン分けしました。結果的にPAシステムを試聴してサウンドを気に入ると彼らはセンドはミックスはL/Rのみとして、クロスオーバーとレベル設定はNeMoに管理させることにしましたが、その際もアプリにアクセスして出力の割り当てをやり直すのは非常に簡単でした。数秒で必要な設定をすべて完了し、希望どおりのサウンドが得られました。」このようにNeMoソフトウェアインターフェースを利用すると、ユーザーは、Wi-Fiネットワーク経由のiOSデバイスおよび有線またはWi-Fiネットワーク経由のMacから、PAの全パラメーターを管理および監視することが可能です。
またGEO M12スピーカーは、ポリカーボネート製のキャビネット構造により高い耐久性と表面/エッジの保護を実現しています。このような独自の素材選択は、グリルのMagnelis®コーティングと相まって非常に優れた耐候性を実現しています。
「今回導入したスピーカーは私たちが必要とするすべての機能と、どんな天候条件でも安心して使用できるレベルの耐久性を備えていました」と、Burke氏は言います。「会場のオープニングフェスティバルのとき、毎晩システムを完全に降ろして収納する労力を避けたかったので1週間システムをフライングしたままの状態にしていましたが、その際に激しく雨が降った日がありました。使用しない間はできるだけしっかりとカバーをかけてはいましたが、システムは激しい雨に耐え、浸水もなく、しっかり役目を果たしてくれましたね。」
