集まる人々を楽しませる、そんなBal Blometはパリの音楽シーンに新たに加わった場所ですが、巧妙に改装された内装インテリアは、この場所のカラフルな歴史に基づいています。6年を費やして建設されたこの場所は、250席を持つ会場で、地元パリの人々に様々なミュージックエンターテインメントを提供します。様々なジャンルの音楽は、ステージの上方の目立つ位置に設置されたNEXO GEO M6コンパクトラインアレイによって再生されます。
企業家のGuillaume Cornut氏は、生まれ故郷であるパリ15区に戻り、そこにあったほぼ廃墟化していた舞踏会場を見つける以前は、長年ロンドンにいました。以前はBal Nègreとして知られたその会場は、19世紀初頭にエキゾティックなダンスホールとして高い評価を得ていました。実際にフランスの社交ダンスのステップとアフリカのリズムを融合させたグアドループとマルティニークで生まれたリズム中心の音楽スタイルである「ビギン」の源の1つとなっています。狂騒の20年代の芸術家の中には、ジョセフィンベーカー、モーリスシュヴァリエ、ミスタンゲットらがパフォーマンスを行い、それを観にジャンコクトー、アーネストヘミングウェイ、ジョアンミロらが訪れたと言われています。
Guillaume Cornut氏は、この建物を2011年に購入し、3年の月日を費やし、近隣住民に新しくBal Blometとして生まれ変わることが良いことだと説明し、改修計画の許可を得ることとなりました。それを証明するように完璧に設計された会場には、70席のレストランがあり、コンサートチケットはたった20ユーロで販売されています。
才能あるピアニストの一面も持つCornut氏は、この会場をどのジャンルの音楽にも特化しないという決定を下し、Bal Blometが広く魅力アピールできることになりました。パリを拠点とする設備施工会社Nanolink社とのコラボレーションにより、ジャズ、クラシック音楽、キャバレー、コメディーショーやシャンソン、どれにも対応可能な最新世代のNEXOラインアレイシステム GEO M6の導入が決まりました。
パリの大地を10メートル掘削し、以前の倍の天井高となった劇場は地下にあり、楽屋はさらに地階にあります。U字型のレイアウトで、ステージの両側と正面に2階層の客席エリアがあります。
Cornut氏とインストーラーであるNanolink社のJean Michel Gache氏が目指したのは、視線を遮ったり、空間の親密さを失うことなく250人収容の会場全体に均一に分散するSRシステムでした。
Nanolink社のソリューションは、ミュージシャンの後ろにある壁の上部に取り付けたNEXOのコンパクトなGEO M6ラインアレイでした。この構成では、M6システムの特長を活用し、アレイの中央に3台のM6Bモジュールを配置し、上下に6台のGEO M620を使用して低域の特性を供給します。GEO M6Bは低・中域を再生するGEOM620のパートナーです。ライブ音楽のようなよりパワフルな拡声が求められるアプリケーションで使用するM6Bは、8Ω、6.5インチのロングエクスカーションドライバーを搭載し、フルレンジのM620 と物理的なサイズが同じであるため同じコラムに混在させることができます。
低周波数の効率向上と高出力でのリニアリティを高めるためにフレア形状のポートを備えたM6Bは、70 Hz – 1 kHz(-6 dB)の動作範囲を供給し、M620は周波数特性 80 Hz – 19 kHz(±3 dB)となります。M620 は、NEXOが設計した高効率ロングエクスカーション6.5インチ低域ドライバーと1インチスロート径の高域ドライバーを搭載し、高域指向特性は80°と120°があり、垂直カバレージは20°で、アレイ時は0°から20°でスプレイ角が設定可能です。
サイドのバルコニー席及びその下の座席をカバーするためにNEXO ID24i コンパクトポイントソーススピーカーがGEO M6アレイの上部と下部に取り付けられています。このハイパワーながらコンパクトなキャビネットは低域用に2つの4インチドライバーと高域用コンプレッションドライバーに回転可能なホーンを備えており、アプリケーションに応じて水平指向角度を正確に合わせることが可能です。
サブウーファーは2台のID S110がステージ両サイドに設置されています。ID SeriesのパートナーサブウーファーであるID S110はコンパクトでありながらパワフルなキャビネットで43 Hz – 130 Hzの周波数帯をパンチの効いたパワフルな再生が特長のため、Bal Blometのパフォーマー、アーティストには理想的と言えます。