エコール・デュ・ルーヴルは、パリのルーヴル美術館の中にある、美術史の世界で最も重要な高等教育機関のひとつです。1882年に設立されたこの学校は、当初は考古学を専門としていましたが、やがて美術史や人類学などの関連分野にも拡大していきました。
エコール・デュ・ルーヴルの4つの講義室は、学生の教育だけでなく、一般の人々にも講義を提供するという長年の伝統を持ち、学校の中で重要な役割を果たしています。AV施工会社であるLagoona Lyon社は、これらの円形劇場の音響仕様を刷新するために選ばれました。NEXOとYamahaの機器を組み合わせて使用することで、エコール・デュ・ルーヴルのためのロープロファイルで高性能な技術水準を実現しました。
この4つの劇場の改修は、大規模設備のスペシャリストであるAstell Design社が全面的に担当しました。
コンサルタントのRémy Bréan氏は、「ライブやイベントの世界で利用可能な最新技術を提供する」という決断を述べています。「逆説的ですが、私たちの仕様は、アーティストのライブパフォーマンスと同じSR要件に基づいています。私たちの目的は、音響的に可能な限り目立たないように拡声し、生徒たちにコンサートホールのような快適なリスニングルームを提供して、授業中の聴覚疲労を抑えることでした。」
マネージングディレクターのFrédéric Bezard氏率いるLagoonaチームは、小音量でもスピーチの明瞭度を保証し、さらにサブウーファーを追加して出力を増強できるSRシステムの設計を任されました。
設置チームにはさらなる難題が待ち受けていました。エコールは世界で最も有名な建物の一つであるため、ケーブル配線やラウドスピーカーの設置位置についても大きな制約があります。そのため以前古いラウドスピーカーが取り付けられていた位置に新しいラウドスピーカーを取り付ける必要がありました。Lagoona社は、NEXO社から最近発売された2つの新しいコンパクトなエンクロージャーに注目しました。GEO M6コンパクトラインアレイと超コンパクトなID24ポイントソースモジュールが完璧な答えでした。
ミケランジェロ(180席)、セザンヌ(160席)、ゴヤ(140席)、デューラー(113席)。この4つのレクチャーシアターごとの空間に合わせて様々なシステムが設計され、主要なラウドスピーカーとして合計36台のGEO M620ラインアレイモジュールが使用されています。
メインの円形劇場であるウッドパネルのミケランジェロでは、Lagoona社は教育や講義、映画上映、音楽エンターテイメントに適したシステムの提供を求められました。プライマリーシステムには、GEO M620ラインアレイモジュールが片側4台設置されています。さらに4台のM620を部屋の後部に配置して、5.1チャンネルの映画上映用のサラウンドチャンネルを再生し、4台のID24超小型フルレンジスピーカーをフロントフィルに使用しています。2台のLS600サブウーファーはコーナーにさりげなく隠されており、必要に応じてLS18をドリーで追加投入することができます。ラックには定番のNXAMP4x1とNEXOの汎用AMPにDTDコントローラーを組み合わせています。
奥行き20メートルのセザンヌでは、片側4台のGEO M620コンパクトラインアレイモジュールと、フロントフィル用に2台のM620キャビネットが設置されています。NEXOのフランス担当セールス・マネージャーであるJean Jacques Viasは、「残響のある環境で12台のモジュールが動作するカラムでは、GEO M6が35~40メートルをカバーすると予想されます。」と説明します。「ここでは、4台のキャビネットを並べて円筒形の波面を形成しています。4つのモジュールからの出力は、セザンヌの部屋の端まで容易に伝わります。」
部屋の音響と空間を慎重に検討した結果、2台のLS18をステージの後方に配置しました。
ゴヤは、石壁と木製の音響処理が施された、雰囲気のあるアーチ型の部屋です。ここでもラウドスピーカーモジュールはGEO M620を片側3台ずつ使用しています。3台のID24モジュールをフロントフィルに使用し、もう1組のIDをモニタリング用に使用しています。LS18サブは必要に応じて追加でき、部屋全体のSRは1台のNXAMP4x1で動作します。
同じく吹き抜けのデューラーでは、片側3台のM620と、部屋の2/3に配置された1台のM620で客席の最後の8メートルをカバーする同様のシステムを採用しています。2台のID24でフロントフィルをカバーし、1組のM620でモニタリングを行い、システム全体を1台のNXAMP4x1で駆動しています。