シンメトリック構造
M46は中低域に4 x 6.5″の、またM28は低域に2 x 8″のハイエクスカーションドライバーを搭載した左右シンメトリック構造のモジュールです。18kHzまでの歪みを除去するため、高域ドライバーには「Keytone Polymer」ダイアフラムを採用しています。 (図はM28オムニモジュール)
フラットメンブレンドライバーによるスムーズな高域特性
M46メインモジュールの中低域にはフラットメンブレン(Flat Membrane=平膜)ドライバーを採用し、バッフル間の高域に干渉を生じさせずにスムーズな周波数特性と均一な水平指向性を実現しています。図1は従来のコーンドライバーを使用した場合の回折の影響を、図2はフラットメンブレンドライバーを採用した場合の滑らかな水平指向角の特性を示しています。
特許取得のCDDによるM28オムニモジュールの可変水平指向角
CDD技術により、水平指向角を2つのパターンから選択することができます。図1は90°の、図2は120°のデバイスを用いた場合の水平指向角の特性を示しています。
特許取得のベントデザインによる性能アップ
M46およびM28は、特許技術のベントデザイン(Patented Vent Profile )の採用により、全ての音響放射面が同相となることで中低域の出力効率と周波数特性および指向特性が改善されています。 (図はM46メインモジュール)
ベントデザインの中低域への効果
図1は従来設計のベントにより乱れた位相が中低域にどのように影響するかを示しています。また、図2はSTMに採用された特許技術のベントデザインにより位相が揃い、中低域が改善されていることを示しています。
特許取得の3D双曲面反射板(HRW™)による干渉のない高域カップリング
M46およびM28は、特許技術の双曲線反射板(HRW™)を採用しています。M46では4基のHRW™ウェーブガイドが水平/垂直に対称に組み込まれており、高域の20KHzまで干渉のない音響カップリングを形成しています。
M28オムニモジュールにおいては、2基のHRW™ウェーブガイドが水平方向に対称に組み込まれています。
HRW™ウェーブガイドの高域での効果
図1(CAD)は必要とされる波面(フラット、凹カーブ、凸カーブのそれぞれ)から曲面反射を経て高域でのカップリング効果を示すHRW™ウェーブガイドが生成されていることを表しています。また、グラフはSTMの高域に対するウェーブガイドの効果を表しており、理論的には5°カーブのリニアソースを形成します。
S118サブベースに採用された特許取得の音響ノズルが歪みを最小化
これまでにもサブベースキャビネットには低域の効率を高めるための通気用ポートが採用されていましたが、従来のポートは高い音圧レベルに伴う気流の速度が気流自体に乱れを生み出しており、それを解消するためにはさらに広い断面のポートが必要となるため、結果としてキャビネットの大きさと容積を増やすことが唯一の解決策となっていました。 S118では一定の厚みの空気層を通すような形状を持つ、特許技術の音響ノズル(high-velocity vent profile)を採用して低域の歪みを最小化しました。
図1は従来の空気流を示し、図2はS118の音響ノズルを通過する空気流を示しています。
超低域の指向性制御
コンパクトで非常にパワフルなSTM S118サブベースモジュールは、18″ドライバーを1基搭載し、革新的なキャビネット設計により、定評あるNEXO CD18 (18″ x2)
サブウーファーと同等のパフォーマンスレベルを達成しました。
STM S118はコンパクトなキャビネット設計による高いパフォーマンスレベルに加え、キャビネットが無指向性、サイドバイサイド、バックトゥバックの両カーディオイドモードが構成可能な機能性により、高いレベルの指向制御を実現できるような設計となっています。図1は無指向性、図2はVLF帯域の効率を最大化したバック・トゥ・バック、図3はビームを45°外側に傾けたサイド・バイ・サイドの構成です。
革新的な PistonRig™、REDLock™、CompassRig™
先進の「PistonRig™」「REDLock™」「CompassRig™」リギング機構 により、いかなるサイズのシステムでも一人で安全にリギングすることが可能です。 コンプレッションモード・リギング方式の採用によりセットアップ中のアレイはフラットに保たれるため、作業中にキャビネットを持ち上げて斜めにしたり押したりする必要もありません。さらにアレイの角度はリギング後も吊り上げた状態のまま調整することが可能です。また、「PistonRig™」はM46とB112のキャビネット間角度のプリセットを、背面にある「REDLock™」は一箇所のバー操作だけでフロント2点のリギングポイントの連結を可能にするため、キャビネットに関わる全ての設定・調整を背面の同一ポジションで行うことができます。M28オムニ(無指向性)モジュールは全てのSTMモジュールとリギング機構に互換性があり、「CompassRig™」と「REDLock™」を利用して、テンションモード時は10°-12.5°-15°で、コンプレッションモード時は 0.2°~15°の範囲で角度を設定できます。